天神明治通り街づくり協議会 
歩道デザイン検討、景観形成・低層部部会検討業務

天神ビッグバンにより天神明治通り地区約17haは建物の建て替え時に民間の力を利用して歩道整備を行いう。しかし2015年時点では細かなルールまで決まっていないかった事と、検討していた時期が2009年ということもあり、天神明治通りが目指す姿と初期の案はずれていた。そこで天神明治通り街づくり協議会より、新たな歩道の整備のデザイン方針を策定して欲しいと依頼があり、弊社で歩道のデザインやルールを作成した。2015年から2018年3月まで地権者の方々とワークショップや素材の選定、試験施工を行い歩道部分のデザインと素材、ルールの策定を行った。また、立替え時にはデザインガイドラインに沿って建て替える必要があり、通り全体で景観に配慮した計画が重要になってくる。景観はハードの整備だけではなく、ソフトも大きくかかわてくる。そこで2018年から2020年3月にかけてワークショップを行い、地権者の方から明治通りが目指す姿をヒアリングし、天神明治通りが目指すハードとソフトの方向性やテーマを設定した。

歩道整備・低層部都市機能検討会

-落ち着きと品格のビジネスストリート-

天神明治通り地区にはMDCで定められた「グランドデザイン実現の手引書」があり、その中に景観形成デザインコードというものがあります。これは個々の建築デザインを調和させ、街並み型の都市空間を段階的に構成するために建築の計画とデザインに一定の原則を定めているものです。また、歩道に関しても整備計画の方針があり、エリアの象徴としての役割を担い、​世界に誇れる「落ち着きと品格のビジネスストリート」を実現するために、官民共同の歩道の整備を計画します。本業務ではこうした歩道デザインのコンセプトを作成し、既存の調査(舗装材、樹種、照明柱の位置など)を行い、新たに整備する歩道デザインのデザインを検討や舗装材の選定、樹種や照明の方針を提案し、部会に参加した地権者の皆様と合意形成を行い、歩道の整備方針として手引書に反映させました。

こうしたデザインの指針があることで、まとまりのある街並みが形成されていきます。

景観形成・低層部部会

立替え時にはデザインガイドラインに沿って建て替える必要があり、通り全体で景観に配慮した計画が重要になってくる。景観はハードの整備だけではなく、ソフトも大きくかかわてくる。そこで2018年から2020年3月にかけてワークショップを行い、地権者の方から明治通りが目指す姿をヒアリングし、天神明治通りが目指すハードとソフトの方向性やテーマを設定しました。

部会の流れ

ワークショップを行い、天神明治通りが目指すキーワードをまとめた資料

ご近所感のあるオフィス街

天神明治通りの幅員は約25m(壁面後退後は約29m)と狭く、南北に交差する道はさらに細いため、天神は建物が寄り添って建つ一体感のあるオフィス街です。今後建て替わる高層ビルがお隣やお向かいを気遣いながら快適さや景観的美しさを作っていければ、他都市にはない「ご近所感」のある街になれる可能性があります。建物の足元には広場が出来たり、地下通路との連絡を増やしたりと環境整備が進みます。エリア全体を誰もが楽しく利用できる、「ご近所感のある街」が世界から注目される日も近いかもしれません。

※パースはご近所感のイメージで作成した架空の空間であり、実際の計画・プロジェクトの空間を表現したものではありません。

テーマの策定

景観テーマ
2018~2019年度に全10回の景観形成・低層部部会を行い、福岡市の地区計画、2018・2019年度までのワークショップで出たキーワードの内容を踏まえ、景観形成における地区の景観テーマと「場」ごとの景観テーマを設定しました。

各テーマの解説

天神明治通り地区の景観テーマ

-誰もが街全体を立体的に楽しめ、多種多様な機能が集積する高密度都市-

「景観」とはハード整備だけでなく、そこに人々の生き生きとした活動が生まれている様です。高層化により、博多湾を臨む展望施設など新たな観光拠点をつくる事も可能です。また上層階は遠方からも見えることから、例えば緑化などを連続すれば街全体のまとまりある魅力向上も期待できます。今後の都市間競争では、多様な場が用意され誰にでもオープンであるための工夫が重要になってきます。地下から高層部まで街全体に、オフィスや商業はもちろんさまざまな機能が提供され、働く人、訪れる人、老若男女、国籍を問わず誰もが楽しめる高密度な街を目指そうというテーマです。

-近隣が互いに気遣い快適性を提供し合う、一体感とご近所感のある街並み-

道路幅員が狭く、お互いの建物が近く密度が高いという特徴を活かし、ご近所感を大切にし利用しやすく親しみある街を目指します。また、一つ一つの建物が個性を出しながらも、近隣と連携しながら全体でまとまりのある街並みやスカイラインを形成し、一体感のある天神ならではの景観を目指すという思いを込めました。

「場」ごとの景観テーマ

<コンテンツ>

-様々な人との交流や地域性豊かな文化を育む、多様な場が用意された街-

道路幅員が狭く、お互いの建物が近く密度が高いという特徴を活かし、ご近所感を大切にし利用しやすく親しみある街を目指します。また、一つ一つの建物が個性を出しながらも、近隣と連携しながら全体でまとまりのある街並みやスカイラインを形成し、一体感のある天神ならではの景観を目指すという思いを込めました。

-屋内外の緑や水辺など、自然との触れ合いが健康を導く歴史香る街-

これからのまちづくりに「健康」は重要なキーワードです。全国の再開発でも、外気に触れ気持ちを開放できる高層階の広場や、建物内部にもたくさんの緑を配し自然との触れ合いを増やす事例などが多く見られるようになりました。天神には那珂川が流れ、天神中央公園やアクロス福岡の緑も豊かで、自然に恵まれています。また水鏡天満宮や福岡城の堀跡など歴史も息づいています。こういった背景を活かしながら建物内外にも積極的に自然を取り入れ、健やかさが光るビジネス街は内外の注目を集めます。

<天神明治通り沿いの公共空間>

-天神ならではの活動を誘う、工夫を凝らした公共空間群-

天神にはこれまでも音楽や食などさまざまなイベントがあり、今後は「日常」の生活の質を上げるコンテンツや九州のハブとしてのしつらえも求められます。目抜き通り・天神明治通り沿いに生まれる公共空間には、そのかたちとコンテンツともに「天神らしさ」とはなにかが問われると思われます。その挑戦が積み重なって、天神という街の未来がふくらんでいく期待を込めています。

<地下広場・地下通路>

-動きと滞留が併存し、地上との繋がりも充実したバリアフリー空間-

質の高いデザインで知られる天神地下街は、地下鉄駅との接点、周辺建物との連結で常に多くの利用者に溢れています。今後も新しい建物との接続はもちろん、通過しやすさに加え、足を止め一息つく休憩の場を提供することも期待されます。地上との繋がりがわかりやすい、バリアフリーでストレスのない縦動線の役割は、街全体のアクセサビリティを向上していくために重要です。また今後延長されていく地下通路の空間デザインには、現在の天神地下街のデザインとの連続性や質の維持につ努めます。

<天神明治通り以外の通り>
-南北軸:それぞれの個性が光るヒューマンスケールな街路群-

天神明治通りに直行する道は幅員が狭く、小規模な店舗が並び、それぞれに個性があります。その特徴や親しみやすい雰囲気を残しつつ、新たな賑わいや文化を育み天神のご近所感を豊かにしていく街路としての役割が、これらの道に求められます。

-サザン通り、福博:魅力的なにぎわい・界隈性が歩行を導く連続空間-

この2つの通りは渡辺通りで分断されており、西は界隈性ある大名、東は天神中央公園から中州へと広がる、天神の重要な東西軸です。天神全体を歩いて楽しい街にするために、現在の課題も解決しつつ、表の顔としての明治通りとは異なる魅力をもつ歩行空間としていくことが望まれます。

<東西入り口、天神交差点>
-東側:川辺空間の視界の広がりを活かした正面性を持つ入り口-

東から天神に近づくと、那珂川の視界の広がりの向こうに建物の壁面が全面に見えてきます。川沿いには「水上公園 SHIP'S GARDEN」や「ハレノガーデン」が親水空間を形成しており、天神への期待感を高めるウェルカム感ある、水辺空間を活かした佇まいの形成が望まれます。

-西側: S字の道の正面性を活かした入り口-

天神の西に横たわる福岡城跡へとつながる天神明治通りは、城下町の名残で、天神の入り口でS字にクランクしています。そのため西から近づくと道の行き先が見えにくく、代わりに建物が正面に見えてきます。天神西通りとの交差点は、大濠公園、舞鶴公園の緑と水の自然軸や、福岡城下の歴史を天神につないでいく結節点でもあります。東の入り口と違って、狭い視界に現れる高層の建物群には、圧迫感のない西の玄関口を形成していくことが望まれます。

 

天神交差点:あらゆる人を受け容れる九州のシンボル交差点-

大都市にはその街を象徴する交差点があります。「天神交差点」は誰もがその存在を知っている、九州を代表するスポットです。地上、地下の人の動線がスムーズでわかりやすく、交通等の機能が整備、充実していることが重要です。また、来訪者が「天神に来た」と実感できる華やかさや独自の魅力をもつシンボル性ある交差点になることで、街全体の存在感を世界にアピールすることでしょう。

景観キーワードリスト(抜粋版)

2018・2019年度までのワークショップで出たキーワードの内容を抜粋して下記に掲載しています。巻末の景観カードフォーマットには部会で議論されたキーワードを全て記載されたものがあります。

補足資料

​天神ビッグバン

-新たな空間と雇用を創出するプロジェクト-

国家戦略特区による「航空法高さ制限の特例承認」や福岡市独自の容積緩和精度を組み合わせ、ソフト・ハード両面にわたる施策を一体的に推進することで、民間活力を最大限に引き出しながら耐震性の高い先進的なビルへの建て替えを促進。それとともに、快適でぬくもりのある公共空間の創出など、安全安心で、魅力的なまちづくりに取り組んでいます。

天神明治通り街づくり協議会

-街づくりを推進する地権者組織-

対象エリアは天神明治通り地区約17haです。「アジアで最も創造的なビジネス街」を目指し、街のあるべき姿を具体化した「グランドデザイン」をまとめ、新しい時代を迎える機能を街に導入していく活動を行っています。

​航空法の高さ緩和

-67mから115mへ航空法の高さ制限緩和-

天神や博多駅などの空港に近いエリアにおいては、航空法によって、建設できる建物の高さに制限があります。天神明治通り地区や旧大名小跡地では国家戦略特区による「航空法高さ制限の特例承認」を受けて最大115mまで建設が可能になりました。

市独自の容積緩和

都市機能の強化や交通環境の改善など、街づくりの取組みに応じて現指定容積率に加算することが出来ます。

​※エリアごとに加算する容積率は異なります。

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