Reception Center

Reception Center / Taichung, Taiwan

 

接待中心 / 台中,台湾 / 2013

 

接待中心を大々的につくる習慣は日本にはなく、台湾のマーケティング手法をかねてより興味深く思っていた。住まいの購入には不可欠な「夢」を、その奇抜なかたちが体現しているということだろう。ただ、その派手なデザインが、その後にそこに恒久的に建つ建築となんら関係ないように見えることには疑問があった。また壊される時にゴミになってしまうのがもったいないと思っていた。

台中に集合住宅を設計し、さらに接待中心も設計することになったとき考えたのは「ホスピタリティ」についてだった。そこに来てくれる人を「もてなす」にはどんな空間がいいだろうか?我々日本人にとって究極のもてなし空間は茶室である。小さいけれど凝縮した宇宙を持つ茶室。決して贅沢な材料を使ったりせず、一見素朴だが、アプローチから茶室に至る道筋も含め、そこで室内で行われるひとつひとつの茶道の振る舞いに相応しいように考え抜かれしつらえられた空間である。

私自身は茶道の初心者だからあんまり大きなことは言えないが、びっくりするようなフォルムで来訪者を迎えるのではなく、繊細でシンプルだけどもてなしの気持ちが表れた、しかも体験したことのないような空間をつくろうと思った。後に完成する集合住宅のデザインコンセプトとも通じるものであるべきだと考えたのはもちろん、周辺環境に対して、街並みの印象がアップするような姿を昼夜与えることができるようでありたいとも考えた。そしてできるだけ材料の再利用ができるようにとも。

 

金属メッシュは2012年末の台北、華山での屋外インスタレーションでも用いた材料だ。重ね合わせで空間に不思議な奥行き感が出て、その向こうに見えるものが違って見えるのが気に入っている。この接待中心はガラスの箱なのでそれだけではかたちがなく、メッシュの重なりだけで全体のかたちと、室内のいろいろなもてなしの場所を構成するようにした。立つ場所によって周囲の空間が変化し、外からの日光が落とす繊細な影も角度を変えていく。茶室へ至る道筋のように、駐車してからの長いアプローチでは、中が見えない様品屋の側からだんだんと透け感のある接待中心を見通す変化を楽しめる。メッシュは再利用もできる。そしてその佇まいが、街並みに爽やかな空気をもたらしたのではないかと思っている。照明デザイナー、松下美紀による照明は、夜の景観も美しいものにしてくれたこともうれしい。

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